中野区教育委員5名中、医療ジャンルから2名も選ばれるのはどうして!?

私たち区議会議員は、区民の付託を受けて、区民の代表として、区民の幸せのために、この場に立っております。(何が幸せかっていうのは人それぞれですけれども。)

区議会議員として選ばれるにあたっては、まず、自分が何者であるのか、そして何をしたいのか、それを区民の皆様に訴え、理解していただき、選挙で投票していただかなくてはなりません。

一方、教育委員の選任は、区長が決める。「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、議会の同意を得て任命する」とされています。

では中野区の5人の教育委員の先生方が何者であるのか、何をしたいのか、私も議会でこれまで教育委員選任の同意は、入野教育長以外の4人にはしてきましたけれども、あらためて今回区のホームページを開いて、今、中野区の5人の教育委員はいったいどんな方が務められているのか、いったい何を考えているのか、この中野区の教育行政をこれからどうしていきたいのか、そういったことを知りたいと思いましたが、区のホームページに載っている情報は非常に限られておりました。

たとえば、村杉寛子、医師、現職。田中英一、歯科医師、現職。伊藤亜矢子、大学教授、現職。あとは任期が書いてある、それだけですよ。

村杉委員が現職の医師であるということはわかりました。寛子というお名前ですから、おそらく女性なんでしょう。しかし、それ以上の情報が何もないんですね。医師って何科の医師ですか?新人ですかベテランですか?区立小中学校とは関係あるんですか?中野区とは関係あるんですか?伊藤委員の大学教授って何ですか?どこの大学ですか?何が専門ですか?どんな優れた識見をお持ちなんですか?

区長は、もちろんそういったプロフィールをすべて承知の上で、適任だと思って選任していらっしゃる、私も、議会で、教育委員選任の同意は、5人中4人にはこれまでしてきましたのである程度は知っています。けれども、区民が教育委員のプロフィールを知りたいと思って、ホームページ開いても、情報が何も載ってないんですよ。

教育委員会に傍聴に行くと、夜の教育委員会などで傍聴者の発言が許可される時が、年に何回かある。区民からの発言自体は許可されるんですけれども、教育委員の先生からのお返事は何もない、一言もお返事いただけないんですよ。「この場では返事をしないのがルールなので返事はできません」と、言い放つだけですよ。区民は、教育委員のお偉い先生の、お言葉を直接頂戴することさえできない。区民は、教育委員の偉い偉い先生と、言葉を交わすことができないんですよ。手も届かない、声もかけてもらえない、プロフィールもわからない。どこの誰かもわからない。まさに雲の上の、雲上人だ。

私たち区議会議員は、この中野区のために働きたい、働かせていただきたいとそう考えた時に、まずは自分が何者であるか、そして何をしていきたいのか、そういうことを、街に出て、駅に立って、人々に直接訴えてきた。そして、いろんな人からいんろんな話を聞いてきた。メールアドレスや電話番号を公開している人もいる。

区の管理職だってそうでしょう。区民との意見交換会や説明会で人前に出れば、時として吊し上げのような集中砲火をあびながらも、公務員としての使命を、果たしてきたじゃないですか。

こうやって人前に出れば、小宮山は商店街の金をポケットに入れているとか、あることないこと言われて、嫌な事言われたことだってありますよ。ここにいる全員が、そんな試練を乗り越えて、それでもよりよい中野区を作っていきたいという覚悟を持って、今、ここにいるんです。教育委員の皆さんに、同じ覚悟を持って同じことやれとは言いませんけどね。

せめて、自分が何者であるのか、この中野区の教育行政を、どうしていきたいのか、そういった決意表明ぐらいはしていただけませんか?10年ぐらい前にはちゃんとやってたはずですよ、ホームページに載ってましたよ。どうしてやめちゃったんですか。

中野区の教育委員会は、長いこと、暗闇の時代にあった。給食食材の放射能測定を求める区民が何千もの署名を集めて教育委員会に提出しても、馬の耳に念仏であった。23区のほとんどすべての区が給食食材の放射能測定をする中で、中野区だけがそれをかたくなにしなかったこと、私は決して忘れません。

酒井区政の下、新しい教育長が誕生し、今までとは違う、区民に開かれた教育委員会ができると私は期待した。しかし、フタを開けてみれば、非公開の会議を連発する、区民の問いかけには答えない、今までと一緒だったじゃないですか。私は区議会議員の中でただ一人、入野教育長の再任に反対をした、その理由が、今の教育委員会の情報隠蔽体質ですよ。教育委員会は、もっと区民に対してオープンであるべきです。ある程度以上のプロフィールは明らかにするべきだし、教育にかける情熱があるのかないのか区民に伝えるべきだし、雲の上の雲上人であってはならない、時として、区民と意見交換をする機会があったっていいじゃないですか。子どもの権利子どもの権利って言うならば、中学生と校則について話し合ったっていいじゃないですか。

そしてもうひとつ、今の教育委員会のメンバー5人の構成に、私は疑問を感じています。

5人の中には、医師が一名と、歯科医師が一名いらっしゃる。たった5人の教育委員会のメンバーの中に、医療の専門家が2人もいらっしゃる。コロナ禍の今、医療に詳しい方が最低1人は教育委員会にいらっしゃると心強い、それは理解します。でも、2人も必要ですか?多すぎる。


たとえば、文化や歴史や芸術に詳しい教育委員のかたどなたかいらっしゃるんですか?誰もいないじゃないですか。今までいたんですか?ほとんどいなかったじゃないですか。

中野区はこれから、「文化芸術振興に係る基本方針」を作って、文化芸術の振興に取り組もうとしている。中野区のような、土地が少ない、自然が少ない、緑が少ない地域において、生活者の満足度を上げて、シビックプライドを醸成していくためには、私は文化芸術こそが重要だと思っています。

でも、教育委員のメンバーの中に、文化に詳しい人誰かいるんですか、歴史に詳しい人だれかいるんですか、芸術に詳しい人誰かいるんですか、誰もいないじゃないですか。区の職員にだってろくにいませんよ。

教育委員会のメンバーはたった5人。特定の業界や団体からの指定席みたいなものを作ってはいけない。医療の専門家が5人中2人も選出されるのはおかしい。おかしいことはおかしい。

奇しくも、歯科医師の委員が11月には任期満了となる。その後任として、医療関係者をまた選ぶようなことはしていただきたくない。今までの教育委員にはいなかった人材、たとえば音楽や絵画や写真やその他のアートの専門知識を持つ人材、あるいは文化や歴史や文化財などの専門知識を持つ人材、あるいはその他学術やスポーツや、これからの時代に必要となるであろう、ビジネスや経済や経営やプログラミングとかに関する深い識見を持つ人材だっていいと私は思ってます。医療関係者以外の優れた人材、今までいなかった新たなジャンルの専門家を選んでいただいて、中野区の教育行政に今までなかった新しい風を起こしていただきたい。

そして、万が一、後任人事において、新たな、2人目の医療の専門家が、ふたたび選出されるようであれば、私は、入野教育長再任に反対したように、たとえたった一人であっても、反対をするつもりです。また、次回は、もうちょっとうまいこと根回しをして、同僚議員にも広く賛同を呼び掛けていきたいと、思ってますからね、私たった一人で反対するんじゃなくて。

任期更新を迎える教育委員の選定においては、すでに1人いる医療の専門家とは別ジャンルの、優れた人材を選んで、加えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか?

次に中野区の特別支援教育についての質問を予定していたのですが、今、教育現場では、そもそも教員が不足している。区内でも、副校長が担任を長期間務めていたケースとか、新学期が始まるのに専科の先生が決まっていなかったとか、産休育休の補充がなかなか決まらないとか、アチコチの学校で教員が不足している。

そもそも数が足りていないのに、質を求めてもなかなかそれはうまくいかないでしょうから、今回、この質問は取り下げることとしました。教員不足に対して基礎自治体ができることは多くはないのですが、数が足りないことにはニッチもサッチもいかないですからね。これは早急に対策していただきたいと思います。